日帰り手術

日帰り手術について

 近年、手術技術の向上や内視鏡・顕微鏡などの機器の進歩によって手術でのキズを小さくすることで体への負担を少なくし、入院を必要としない日帰りでの手術を行う事が可能となってきています。

 特に顕微鏡での鼓室形成術・鼓膜形成術内視鏡下副鼻腔手術においては技術的な進歩が著しく、また手術前後における安全性確保のための全身管理のシステム作りも盛んにされてきています。

 従来数週間の入院が必要であった手術が日帰りで行えるという事は、入院期間だけでなく費用の面でも多くのメリットがあります。特にお仕事をされていて長期間の入院がなかなか出来ないという方は、このような手術のよい適応となります。

 当院院長は総合病院での耳鼻咽喉科医長を経て、日帰り手術専門施設で約5年間の研修を積み、実際に執刀医として数百例の手術を担当してきました。また安全性を第一に考えた、日帰り手術のシステムを採用しており、安心して手術を受けて頂けるものと考えております。


当院で行っている日帰り手術

疾患名 手術名
慢性中耳炎 鼓膜・鼓室形成術
真珠腫性中耳炎 鼓室形成術
慢性副鼻腔炎 内視鏡下副鼻腔手術
滲出性中耳炎 鼓膜チューブ留置術
アレルギー性鼻炎 下鼻甲介レーザー焼灼術
粘膜下下鼻甲介骨摘出術
鼻中隔弯曲症 鼻中隔矯正術
顔面の皮膚腫瘍 皮膚腫瘍摘出術
サーファーズイヤー 外耳道骨腫切除術

日帰り手術までの流れ
  1. 初診日の診察および検査

     外来診察をしたうえで、聴力検査やレントゲン検査、CT検査などを行います。現在CT検査は湘南東部総合病院へ紹介させて頂いております。様々な検査の上で手術の術式を決定します。

  2. 術前検査日

     術前検査として血液検査等を行い、何か他の病気が隠れていないかチェックします。治療中の病気(心臓の病気や糖尿病など)がある場合には、安全に手術を行うためにかかりつけの先生と連絡をとることもあります。

  3. 手術当日

     手術は基本的に局所麻酔で行っています。

  4. 外来へ再来
  5.  手術後の抜糸・ガーゼ抜去などを行います。術後の処置が必要な方は予約した外来日に受診して下さい。

日帰り手術に関するよくある質問
  • Q. 手術に保険はききますか?
  •  当院での手術は全て保険診療です。自己負担分は高額療養費制度の還付の対象となります。詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。

  • Q. 手術費用はどのくらいかかりますか?
  •  3割負担の保険の方では、鼓膜形成術は約55000円、鼓室形成術は約130000円、サーファーズイヤーは約23000円、花粉症のレーザーは両側で約5000円、内視鏡下副鼻腔手術は一側で約30000~75000円です。手術中に使用する薬剤などで多少前後します。

  • Q. 支払にクレジットカードは使えますか?
  •  申し訳ありません。現在のところクレジットカードの運用は行っていませんので現金でのご精算をお願いしております。

  • Q. 手術中に意識はありますか?
  •  局所麻酔で手術を行いますので意識はあります。点滴から痛みを抑え、少し眠くなる薬を投与します。

  • Q. 手術時間はどのくらいですか?
  •  花粉症のレーザーは10分程度、その他の手術はいずれも大体1~2時間程度で終了します。

  • Q. 術後はどのくらいで仕事はできますか?
  •  通常のデスクワークはめまいや出血などがなければ翌日から可能です。重労働や肉体労働の場合には執刀医にご相談ください。

  • Q. 手術の危険性はありますか?
  •  十分な手術の安全性を確保するように努めておりますが、やはり合併症の出現率は0%ではありません。一般的に起こり得る合併症としては、めまい・軽度の出血・疼痛などです。これらは、ほぼ安静や薬の内服などで治ります。

     重篤な合併症としては耳の手術では顔面神経麻痺・髄膜の損傷・三半規管の損傷、鼻の手術では髄膜損傷・眼窩内損傷などが挙げられていますが、一定の症例数を経験した執刀医が行う手術においてはこれらのリスクはあまり心配しないでよいと思われます。

  • Q. 手術に付き添い人は必要ですか?
  •  体質にもよりますが、気分不良・ふらつきなどによりお一人で帰られるのが難しい方もおられます。そのため原則、ご家族の方などに付き添ってきて頂いております。

  • Q. 基礎疾患があるのですが大丈夫ですか?
  •  基礎疾患のある方には原則としてかかりつけの先生と連絡を取らせて頂き、手術や麻酔を行う事が問題ないかを確認させていただいております。全身管理にリスクが高い場合には手術はお断りさせて頂くこともあります。

アレルギー/花粉症

 鼻は身体の中で、呼吸器のフィルターの働きをしており、鼻の粘膜が腫れたり、分泌液を出したりしてホコリなどが肺に入らないように除去をする働きがあります。

 アレルギー性鼻炎とは、この異物を排除しようとする鼻の粘膜の働きが過剰におこりすぎてしまうもので、症状の出かたから「季節性」と「通年性」に分かれます。おもには鼻の下鼻甲介という部分の粘膜が腫れたり分泌液を出したりしてくしゃみ・鼻みず・鼻づまり・目のかゆみなどの症状が出ます。


左がアレルギー性鼻炎の方で右が正常の鼻の所見です。
の部分の下鼻甲介の粘膜が腫れて鼻みずを分泌しているのが分かります。

 季節性のアレルギー性鼻炎は、スギやヒノキを中心とした花粉に対するアレルギー性鼻炎です。特に日本ではスギ花粉症の罹患率は著しく高く、もはや国民病と言っても過言ではありません。通年性のアレルギー性鼻炎はホコリ・ダニ・カビ・動物のフケなど様々な物質に対するアレルギーです。特にホコリやダニは身近にある物質であり一年を通して症状がでる原因となります。

花粉症・アレルギー性鼻炎に対しての手術療法

下鼻甲介粘膜レーザー焼灼術

 鼻みずを分泌したり、鼻づまりの原因となる下鼻甲介という部分の粘膜をレーザーで焼いて、その機能自体を抑えてしまう手術です。

 当院では花粉症のレーザー治療にはYAGレーザーを採用しております。一般的に使用されるCO2レーザーよりも深達度が高いため効果が強く、またスギ花粉の飛散期でも照射できるなどのメリットが近年報告されております。費用は保険の自己負担が3割の方で約6500円程度です。 効果の持続期間は1,2年程度とそんなに長くはないので、花粉症のシーズンが始まる前の12月頃に行っておくのをおすすめします。


下鼻甲介粘膜全体にレーザーを照射します。

粘膜下下鼻甲介骨切除術

 下鼻甲介粘膜に切開を加えて、中の骨を取り除く手術です。切開した部分は1~2週間で治ります。

 骨を取り除いた分だけ下鼻甲介のボリュームがなくなり、鼻づまりが改善します。また鼻みずを止める効果もあります。

 効果はレーザーよりも、より高いです。


下鼻甲介に切開(赤線)をいれ、中の骨を除去します。

顔面の皮膚腫瘍

 顔面の皮膚・皮下腫瘍は様々なものがありますが、当院では先天性耳瘻孔・耳介のアテローム・皮膚の母斑など良性腫瘍の摘出術を中心に行っています。しかし悪性腫瘍が疑われる場合には専門の病院へ紹介させて頂きます。

前額部のアテローム

鼻根部の母斑

左耳前部の先天性耳瘻孔

顔面の皮膚腫瘍摘出術

 顔面における皮膚腫瘍の摘出術は、常に他人から見える部位であるため、手術後の傷が目立たないよう処置を行う必要があります。

 そのためには皮膚のしわにまぎれるように切開線をデザインしたり、縫合糸を通常よりも細いものを使用したり、特殊な縫い方をするなどの形成外科的技術を用いて行います。

 当院院長は形成外科の手術のトレーニングも積んでおり、皮弁形成や特殊な縫合などを得意としております。

 手術は基本的に局所麻酔で行います。手術時間は概ね1時間以内で終了します。手術費用は疾患により多少変わりますが、3割負担の保険の方で約10000~15000円程度です。

慢性中耳炎

慢性中耳炎とは

 子供の頃からの中耳炎が治らず、中耳の中に細菌感染が持続したことで、鼓膜に穴が開いたままとなっていたり、さらに音を伝える骨(耳小骨)が壊れてしまっている病気です。

 慢性中耳炎の主な症状は、耳だれ、難聴、場合によってはめまいなどがあります。慢性中耳炎の治療は基本的には手術です。鼓膜にあいてしまった孔の閉鎖を行うことで感染の予防を行います。また壊れてしまった耳小骨の再建を行う事で、難聴を改善します。


鼓膜に大穿孔が見られ、耳小骨が露出しています。

慢性中耳炎の手術(鼓膜形成術・鼓室形成術)

 当院での手術は、基本的に局所麻酔で行います。補助的に点滴から、痛みを抑え少し眠くなる薬を投与します。注射の痛みはありますが、麻酔薬を注射した後は、ほとんど痛みはありません。

 鼓膜の穴をふさぐのみであれば鼓膜形成術で終了します。音を伝える耳小骨を作り替える必要がある場合には鼓室形成術を行います。

 手術の術式は聴力検査の結果と鼓膜の所見、中耳のCT検査などから決定します。

 鼓膜形成術も鼓室形成術も当院では基本的には耳の孔の中の切開で行う、耳内手術で行います。必要に応じて皮膚切開を延長する可能性もあります。

 音を伝える耳小骨の再建はご自身の軟骨を使用したり軟骨接合型人工耳小骨を用いて行います。


*この図では鼓膜の孔を筋膜で耳小骨を人工骨で再建しています。

 手術のリスクとしては一般的なものでは出血やめまいなどがあります。これらは安静・圧迫等の処置などでほぼ改善します。

 重篤なものとしては難聴の増悪・顔面神経麻痺・髄膜の損傷などが挙げられますが、熟練した医師が行う場合には、ほぼ安全な手術といえます。

 手術時間は鼓膜形成術で約1時間、鼓室形成術で1~2時間程度です。

よくある質問
  • Q. 手術時間はどのくらいですか?

 鼓膜形成術で1時間程度、鼓室形成術で1~2時間程度です。

  • Q. 術後はどのくらいで仕事はできますか?

 通常のデスクワークはめまいや出血などがなければ翌日から可能です。重労働・肉体労働の場合はご相談ください。

  • Q. 手術の危険性はありますか?

 一般的にあり得る合併症としては、めまいや傷口からの軽度の出血・疼痛などです。これらは安静や薬の内服などで治ります。

 重篤な合併症としては鼓室形成術では顔面神経麻痺・髄膜の損傷・三半規管の損傷などが挙げられていますが、一定の症例数を経験した執刀医が行う手術においては、これらのリスクはあまり心配しないでよいと思われます。

  • Q. 手術費用はどのくらいかかりますか?

 3割負担の方で鼓膜形成術は約55000円、鼓室形成術は約130000円です。手術中に使用する薬剤などで多少前後します。すべて保険診療ですので、自己負担分は高額療養費制度の還付の対象となります。詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。

真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎とは

 真珠腫性中耳炎は鼓膜の一部がさまざまな要因によって、鼓膜の奥の中耳の中に落ち込み、そこで耳あかを堆積していくことで起こるものです。この耳あかが一見、真珠のように見える事から真珠腫と呼ばれています。きれいな名前ですが周囲の耳小骨や三半規管組織といった重要な組織を壊しながら進行する悪いタイプのものです。


○内に真珠腫が見られます


CTでは耳小骨の一部が真珠腫に破壊されています

症状

 耳だれや耳痛を繰り返します。周囲の耳小骨や三半規管組織、顔面神経といった重要な組織を壊した場合などにはめまい・難聴・顔面神経麻痺など深刻な症状をおこします。放置すると頭蓋内までに進展することもあります。


*白い真珠腫が見えます。周囲の組織は強く破壊されています。


*図の○内が真珠腫です

手術(鼓室形成術)

 真珠腫性中耳炎の治療は原則、手術です。真珠腫とは癌ではありませんが放置すると大きくなり、周囲の器官を破壊してしまいます。

 当院では手術は局所麻酔で行います。補助的に点滴から痛みを抑え少し眠くなる薬を投与します。

 手術術式は鼓室形成術です。基本的には耳の孔の中の切開で行う、耳内手術で行います。必要に応じて耳の皮膚切開を延長することもあります。真珠腫を摘出した後に、真珠腫が再発しにくい形態に外耳道や中耳をリフォームします。音を伝える耳小骨が破壊されている場合には、ご自身の軟骨や軟骨接合型人工耳小骨を用いて再建します。
 手術時間は1~2時間程度です。


*真珠腫を摘出し人工骨を用いて耳小骨を再建したものです

よくある質問
  • Q. 手術中に意識はありますか?

 局所麻酔で手術を行いますので意識はあります。耳に麻酔薬を注射することで、痛みはほとんど感じません。点滴から痛みを抑え、少し眠くなる薬を投与します。

  • Q.手術時間はどのくらいですか?

 鼓膜形成術で1時間程度、鼓室形成術で1~2時間程度です。

  • Q. 術後はどのくらいで仕事はできますか?

 通常のデスクワークはめまいや出血などがなければ翌日から可能です。重労働・肉体労働の場合はご相談ください。

  • Q. 手術の危険性はありますか?

 一般的にあり得る合併症としては、めまいや傷口からの軽度の出血・疼痛などです。これらは安静や薬の内服などで治ります。

 鼓室形成術では顔面神経麻痺・髄膜の損傷・三半規管の損傷などが重篤な合併症として挙げられていますが、一定の症例数を経験した執刀医が行う手術においては、これらのリスクはあまり心配しないでよいと思われます。
  • Q. 手術費用はどのくらいかかりますか?

 3割負担の方で鼓膜形成術は約55000円、鼓室形成術は約130000円です。手術中に使用する薬剤などで多少前後します。すべて保険診療ですので、自己負担分は高額療養費制度の還付の対象となります。詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。

慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎

 慢性副鼻腔炎とは、鼻の孔とつながる顔面の空間(副鼻腔)に膿がたまったり、ポリープができてしまう病気です。

 慢性副鼻腔炎の大半は薬の治療のみで改善しますが、鼻の孔と副鼻腔をつないでいる、自然孔という排泄路が、細菌感染やアレルギーを原因とする粘膜の腫脹やポリープによって閉じてしまうと、膿が排泄されなくなってしまいます。この閉塞を除去するためには手術が必要となることがあります。

 手術が必要になる方は、大体20~30%くらいです。



内の部位が鼻の中に出来たポリープです


副鼻腔CTで内に膿がたまっているのが分かります。

症状

 症状としては、膿のような鼻みず、鼻づまり、においがしない、へんなにおいがする、頭痛・頭が重いなどです。鼻づまりのため口呼吸になることで口腔や咽頭の乾燥をまねき、咽頭炎や扁桃炎の原因となることもあります。鼻づまりが持続することによっていびきや睡眠時無呼吸などの睡眠障害の原因となることもあります。さらに鼻みずがのどに落ちる後鼻漏という症状は慢性の咳嗽や気管支喘息の原因となるといわれています。

治療法

 マクロライド系といわれる抗生剤を少量で1~3ヶ月内服する治療方法で7割程度は治りますが、自然孔を閉塞するポリープがあったり、喘息が合併していたりして治療の効果が出ない場合には手術が必要です。

  • Q. 慢性副鼻腔炎の手術

 当院では鼻の孔からアプローチし、全ての手術操作を鼻の中で完結する内視鏡下副鼻腔手術を行います。現在ではこの術式が主流となっています。

 口の中を切開する必要がないため、体の負担が少なく日帰りでの手術が可能となっております。

 手術では鼻腔と副鼻腔をつなぐ自然孔を閉塞しているポリープや副鼻腔の隔壁という骨を除去して、鼻腔と副鼻腔をつなげて副鼻腔の内部を洗浄し、副鼻腔の自浄能を回復させることを目的としています。

 手術は局所麻酔で行います。実際には鼻の中に麻酔薬を注射する局所麻酔に加えて、点滴から痛みを抑え眠くなる薬を投与します。

 手術時間は約1時間程度です。手術後は鼻血が出ることもあるので鼻の中に特殊なスポンジと止血用のガーゼを留置し、後日外来に来ていただいて、抜去します。手術後は、外来での処置やご自宅での生理食塩水を用いた洗浄を行って頂きます。


手術後2週間の所見です。ポリープを除去し副鼻腔を開放してあります。


鼻の奥の副鼻腔まで十分に開放されているのが分かります。

よくある質問
  • Q. 手術中に意識はありますか?

 手術は麻酔薬をしみ込ませたガーゼを鼻の中に挿入する浸潤麻酔と麻酔薬を鼻の粘膜に注射する局所麻酔で行います。補助的に点滴から、痛みを抑え少し眠くなる薬を投与します。

  • Q. 手術時間はどのくらいですか?

 約1時間程度です。

  • Q. 術後はどのくらいで仕事はできますか?

 鼻の中にガーゼが入っていう状態ですが、通常のデスクワークは翌日から可能です。重労働・肉体労働は鼻血がでる可能性があるので、ガーゼ抜去から1週間は行えません。

  • Q. 手術の危険性はありますか?

 一般的にあり得る合併症としては、鼻出血や疼痛などです。これらは安静や薬の内服などでおさまります。

 内視鏡下副鼻腔手術では動脈性の大出血や眼窩内合併症、頭蓋底の損傷などが重篤な合併症として挙げられていますが、一定の症例数を経験し熟練した術者が行う手術においては、これらのリスクはあまり心配しないでよいと思われます。

  • Q. 手術費用はどのくらいかかりますか?

3割負担の方で片側の手術で30000~73500円です。手術中に使用する薬剤などで多少前後します。すべて保険診療ですので、自己負担分は高額療養費制度の還付の対象となります。詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎

 滲出性中耳炎とは鼻と耳をつなぐ耳管の機能低下や鼻の病気を原因として中耳に浸出液がたまる病気です。おもな症状は難聴です。一般的には耳の痛みはありません。多くは小児で多くおこりますが、大人でおこることもあります。主な治療は内服薬を中心とした治療ですが、数か月治療しても治らない場合などには鼓膜に換気をつけるためのチューブを入れる治療を行います。


左が正常なもの。右が滲出性中耳炎の鼓膜所見です。

滲出性中耳炎の手術

 滲出性中耳炎の手術は、鼓膜に切開を加えて中耳の中の浸出液を吸引し、さらに中耳に空気が入り続けるようにチューブを留置します。

 当院では鼓膜だけを麻酔する局所麻酔で手術を行います。当然、目が覚めていますし、手術が終わればすぐに帰宅出来ます。もちろん入院の必要はありません。滲出性中耳炎の手術は、特別に手術日は設けず、外来で順次行っています

 小学生以上のお子様であれば、おおむね問題なく行えます。小学生未満のお子様でも親御さんに付き添って頂いて手術を行っています。不安が強く手術が難しい場合は、全身麻酔の手術が行える病院へ紹介させて頂いております。手術時間は両側で10分程度で終わります。


内が鼓膜チューブです。

鼻中隔彎曲症

鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)

 鼻の穴を左右に分けている壁(鼻中隔)は誰でも、ある程度は曲がっているのですが、成長するにしたがってこの曲がり強くなってしまう方がいます。状態がひどいと鼻つまりやいびき、嗅覚障害などの原因になります。


内が弯曲している鼻中隔、右の写真が正常な所見です。

症状

 鼻がつまる、いびき、においがわからない、などの症状が出ます。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎が合併すると、症状はさらに強くなります。

 鼻づまりなどの症状がひどい場合、鼻中隔矯正術という手術を行います。鼻中隔矯正手術では、曲がっている鼻中隔の粘膜に切開を加え、中の曲がっている軟骨や骨を取り除き、まっすぐに矯正します。

よくある質問
  • Q.手術時間はどのくらいですか?

 鼻中隔矯正術単独であれば30分程度です。

  • Q.術後はどのくらいで仕事はできますか?

 通常のデスクワークはめまいや出血などがなければ翌日から可能です。重労働・肉体労働の場合はご相談ください。

  • Q.手術の危険性はありますか?

 合併症としては、鼻出血・疼痛などです。これらは安静や薬の内服などで治ります。

サーファーズイヤーについて

サーファーズイヤーとは

 湘南にはサーフィンをされる方が多くいらっしゃいます。サーファーズイヤーとはサーフィン歴が長く、冬でも北関東方面にトリップしてサーフィンをされているような方に多くおこる病気です。冷水による刺激を長期的に受けることによって、外耳道の骨が増殖し、耳の孔が全体的に狭くなることで症状が出現します。なぜ骨が増殖するのかは、詳しくは解明されていません。

 昔から職業潜水士や、頻繁に水泳を行う人に多くおこることが知られていましたが、特にサーファーによく見られることから、サーファーズイヤーと呼ばれています。サーフィンの経験年数が長く、サーフィンに行く頻度が高くなるほど、より重篤になると言われています。

 ちなみにサーフィンのスタンスがレギュラーの方は左耳、グーフィーの方は右耳に出来やすいと文献的には報告されていますが、今まで診察してきた患者様では両耳に均等に出来ている方が多いと思います。

サーファーズイヤーについて

両耳に外耳道骨腫が出来ている症例です。

症状

 外耳道の狭くなる程度が軽い場合には、自覚症状はほとんどありません。

 骨腫が大きくなり耳の孔が塞がるようになると、耳に入った水や耳垢を出しづらくなります。細菌感染をともない炎症が起こってくると耳の痛みが生じます。

 外耳道の閉鎖が高度になると、耳の孔が詰まってしまい難聴になります。

治療法

 一度できた外耳道骨腫は小さくなりません。骨腫が大きくなって症状が出てきたら手術が必要です。

 手術は耳介の後を大きく切開して外耳道にアプローチする耳後手術が一般的です。この方法は手術時の視野が大きくて操作がしやすいというメリットがあります。しかし皮膚の切開範囲が大きいので治るのに多くの時間がかかってしまいます。また切開範囲が大きいので合併症の出現率も多少上がります。

 当院では耳の孔の中の皮膚に切開を加えて骨腫にアプローチする耳内手術を採用しています。

 この術式では耳の孔の中に切開を加え、骨腫から皮膚をいったん剥がして、骨腫を手術用のノミで削り取ります。その後、皮膚を元通りに戻し、手術用の接着剤で固定します。全ての手術操作は耳の孔の中で完結します。

 手術操作が狭い範囲で行われるため、やや慣れと技術が必要です。しかし切開範囲が狭いため手術後の回復が早くサーフィンの再開が早いというメリットがあります。

 耳の皮膚が元に戻るまでは3,4週間程度はかかりますので、サーフィンへの復帰は4週間後くらいになります。4週間はサーフィンをしないでもよい時期、梅雨時や冬場などに手術をするのがよいかもしれません。手術時間は両側でも1~2時間程度です。

サーファーズイヤーについて
手術時、耳の中の皮膚に近い部分に切開(赤線)を行います。

サーファーズイヤーについて
手術後数日の所見です。鼓膜までよく見えるようになりました。


よくある質問
  • Q.手術中に意識はありますか?

局所麻酔で手術を行いますので意識はあります。耳に麻酔薬を注射することで、痛みはほとんど感じません。点滴から痛みを抑えて少し眠くなる薬を投与します。

  • Q.手術時間はどのくらいですか?

左右同時に行う場合で1~2時間程度です。

  • Q.術後はどのくらいで仕事はできますか?

通常のデスクワークは出血などがなければ翌日からでも可能です。重労働・肉体労働の場合はご相談ください。

  • Q.手術の危険性はありますか?

一般的にあり得る合併症としては、傷口からの軽度の出血・疼痛などです。これらは安静で治ります。

  • Q.手術後に気を付けることはありますか?

手術後の外耳道の皮膚が腫れたり滲出液がたまったりして耳がふさがった感じになることがあります。綿棒などでさわると皮膚がずれてしまったり感染したりします。あまりに耳のふさがった感じがひどいときには処置をしますので外来を受診してください。

  • Q.手術費用はどのくらいかかりますか?

3割自己負担の方で片側23000円です。すべて保険診療ですので、自己負担分は高額療養費制度での還付の対象となります。詳しくは厚生労働省のホームページをご参照下さい。

  • Q.サーファーズイヤーにならないためにはどうしたらよいですか?

冬場にはサーフィンをしないのが一番ですが、サーフィンをする場合には耳栓をしたり、耳までカバーされるヘッドキャップを使用されるのもよいかと思われます。

医院概要

茅ヶ崎耳鼻咽喉科クリニック
耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科・アレルギー科

〒253-0085 
神奈川県茅ヶ崎市矢畑725-1

TEL.0467-59-4133

駐車場 : 当院8台 第二駐車場9台
アクセス: 茅ヶ崎駅北口 神奈中バス
茅25茅26 矢畑バス停
茅45茅48茅52茅53茅54
肥地力バス停
  日祝
10:00~
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19:00
土曜日・・・9:00~13:00
[休診日] 水曜(手術日の為)日・祝