処方の仕方

誰もが元来兼ね備えている、「自然治癒力」に着目した治療、体の状態を整える効果を期待する処方が基本です。
一人一人の自然治癒力に着目し、病名で診断するだけでなく、体質や病気の状態など患者さまに合った薬を選び、使い分けることが必要となります。
ですから、同じ症状だからと言って同じ漢方薬を使用しても、人によって効いたり効かなかったりします。
その人に合った漢方薬を、その人に合った飲み方で使う必要があるのです。漢方薬だけを数種類組み合わせる方法、西洋医学の治療薬と併用する方法等、一つの症状でも、患者さまお一人お一人、それぞれ異なってきますし、同じ患者さまでも体調の変化により処方は変わってきます。
漢方では、病態と体質の双方を考慮に入れながら、そのときどきの処方をするのです。

漢方は不調対策も得意

また、人の体は健康と病気の二つの状態にはっきり分かれるのではなく、体調がすっきりしないのに病院で検査をしても「異常無し」と言われるような、白でも黒でもない灰色の状態があります。これを東洋医学では「未病」と呼び、はっきりした病気ではないのですが、病気が本格化し、症状が顕在化する前の状態と考え、放置すれば病気になる可能性があると考えます。
体質を改善したり、体の治癒力を高めたりして病気が悪くなる前に改善していくのが、漢方の基本的な考え方です。西洋医学では病気と見なされないような不調対策も、漢方は得意とするのです。

かぜ

のどのかぜ、鼻のかぜなど症状に応じて患者さまに適した漢方薬を処方いたします。西洋薬との併用も可能です。かぜの初期症状におすすめです。

• 処方例

急性扁桃炎

のどの奥にある扁桃が腫れてしまい痛みや熱がでる病気です。
のどからかぜを引きやすい場合は扁桃炎の可能性があります。扁桃炎の初期症状におすすめです。早めの受診をおすすめしております。

• 処方例

小児の反復する中耳炎

特に保育園に通っているお子さまの反復している中耳炎に対しては体質改善することで症状がよくなることが医学的に立証されております。中耳炎を頻繁に繰り返す方には、抗生剤を連用して耐性菌を増やすよりも、漢方薬を併用することをおすすめしております。

• 処方例

耳鳴り

耳鳴りにはいろいろな性質のものがあります。
キーンと高い音が続くものや心臓の拍動のような音が続くもの、イライラするようものなどです。
耳鳴りに対する漢方薬は数種類ありますので体質や症状に合わせて処方します。過去の経験上2カ月以上継続していただくと、作用がより期待できます。

• 処方例

耳管開放症

体重減少などに伴い耳と鼻をつなぐ耳管という管が大きく解放されることにより自分の声が耳に反響するような不快な症状が出現します。症状改善には漢方薬が有効です。

• 処方例

めまい

めまいに対する漢方薬は数種類あります。
漢方薬の種類によっては長期間内服すると副作用がでるものもありますので患者さまの状態に合わせて処方いたします。内耳のむくみをとることでめまい症状や耳鳴り、難聴、耳閉感を改善することができます。特にメニエール病に対して効果がみられます。

• 処方例

アレルギー性鼻炎、花粉症

アレルギー性鼻炎、花粉症に対する漢方薬は有効性があります。
西洋薬で眠くなる方には特におすすめです。またお子さまの症状改善にとても有効です。味が苦手でなければ挑戦してみましょう。
漢方薬のメリットは大きく三つ挙げられます。

1. 短時間で作用があること（15分もすれば効いてきます）
2. 眠気や倦怠感がなく、かえって覚醒すること
3. 年々発作が減り体質改善につながる可能性があること

• 処方例

急性副鼻腔炎

ほほやおでこに副鼻腔という空洞があります。
この空洞に膿やばい菌がたまることにより歯の痛みやほほの痛みが起こります。鼻の洗浄、ネブライザーと合わせて内服するとより効果的です。

• 処方例

咽喉頭異常感症

特にのどの病気や炎症がないのにのどの違和感が持続することがあります。
精神的にストレスを抱えていたり神経が過敏になっている方に起こりやすい症状です。長期間症状に悩んでいる方でも漢方薬を内服することで症状がすっかりよくなることがあります。

• 処方例

体力低下、虚弱体質

体力の低下に伴う慢性疲労、イマイチ元気がでない、病気のあとの体力改善などに適した漢方薬があります。
胃腸の調子を整え体力を改善する漢方薬です。胃腸の調子は全身に影響を及ぼします。男性の場合は精力低下にも作用があるとされています。

• 処方例

舌痛症

舌や口の中が痛い場合はまず口の中の細菌の検査を行います。
細菌みられる場合は抗生物質などを処方します。また体内の亜鉛などの微量元素が不足することで症状が生じることもあるため血液検査を行う場合もあります。
舌や口の中が特に原因がなく痛みが生じることがありその際には漢方薬での治療をおすすめしております。長期間内服することで症状が改善されます。
漢方を内服し続けることで気づいたらいつの間にか痛みがなくなっていたということが多いです。

• 処方例